tarumiのブログ

【つんので さるく】とは、長崎弁で、一緒に歩きましょうと、いう意味

2022年11月のブログ記事

  • 叱られし子の泣き声やすきま風

    叱られし子の泣き声やすきま風 私らが子供の頃はよく𠮟られたものです。其の頃の家は隙間だらけで、声が漏れたものです。 最初は叱る声、それからだんだんと泣き声に代わってきます。 その声が隙間から。

    nice! 3
  • 農終えし囲炉裏の前は能舞台

    農終えし囲炉裏の前は能舞台 叔父の家は、開拓部落でしたが、人望がありよく人が集まりました。 佐賀県は鍋島公の関係かは知りませんが、能が盛んです。其の血のせいか私も嫌いではありません。 私が中学生の頃は、夜は、大人が七八人よく集まり囲炉裏で酒を酌み交わしていました。 酔いが回ると誰ともなく謡が始まり... 続きをみる

    nice! 2
  • 佐賀弁と炬燵蜜柑や叔父の家

    佐賀弁と炬燵蜜柑や叔父の家 佐賀県太良は、ミカンの産地である。その産地に導いたのが私の叔父である。 中学の頃はまだランプの生活であった。 行くと掘りごたつで、ミカンを山のように置いてずっと食べ続けるのである。 静かな時間が流れていくのです。

    nice! 2
  • 足跡を波紋に消され都鳥

    足跡を波紋に消され都鳥 海辺で越冬し、貝などを食べる鳥であるが、昔から文学でも愛された鳥である。 其の足跡が波紋に消されてしまっている。

    nice! 1
  • 艪の音が離れて行くや海霧に

    艪の音が離れて行くや海霧に 気温が下がると、海水温度が高いときは蒸発したような霧が出る。 漁師はその中を出ていくのである。妻や子はそれを見送るのであるが、板一枚下は地獄という仕事である。 其の労に感謝しながら見送っているのであろう。

  • 竹麦魚 は絶対飛ぶよと子供言う

    竹麦魚 は絶対飛ぶよと子供言う 竹麦魚 淡白で美味しい魚である、煮つけ、刺身、鍋、吸い物、天麩羅思い出しただけで涎が出る。 所であの赤い色、鮮やかな大きい鰭、確かにあの大きな鰭があれば飛ぶこともできるのでは、然し海底を這うものだとか、 でも子供には「そうだな、飛ぶよ。」と、言っておこう。

  • 我が家こそ正当なりとおでん炊く

    我が家こそ正当なりとおでん炊く 長崎から愛知県に来て、おでんは地方により随分違うものだと驚きました。 ラーメン屋のおでん、おでん専門店、家庭でもそれぞれ違いはあります。 ある時、近所の方が、皆で来るからおでんを、とのことで作りました。翌日も来られたので、 「昨日の残りなので煮詰まっているからお金は... 続きをみる

    nice! 1
  • 夜咄は四五人程がちょうどいい

    夜咄は四五人程がちょうどいい 冬、夜咄の茶会は趣味の問題もあり、あまり沢山のメンバーでは楽しく無いこともあります。 趣味の合わない人と、美術館に行くような物 俳句仲間ならベストかな

    nice! 3
  • 霜焼けを白熱球で温めおり

    霜焼けを白熱球で温めおり 昔の子は栄養状態が悪くよく霜焼けになったものです。その霜焼けの手を白熱球を近くで囲むと優しい暖かさが何とも言えないものでした。

    nice! 2
  • 鶏小屋に硴殻砕き撒く祖母や

    鶏小屋に硴殻砕き撒く祖母や 硴はふつう牡蛎と書きますが、これは皆さんストアにある、広島 三重などの牡蛎で元々は、海底に転がったようにあるものであり、それを養殖したものであります。 この硴は、海岸で岩にしっかりと定着した硴です。 此れを硴打ちで、一つずつ丁寧に中身だけ取り酢硴で食べます。 その時取れ... 続きをみる

    nice! 1
  • 名刀の切れ味残す枯れ芒

    名刀の切れ味残す枯れ芒 枯れているからと油断できない、不用意に触れば怪我をする、 切れ味は残しています。

    nice! 3
  • 休みなき空港レーダー冬銀河

    休みなき空港レーダー冬銀河 レーダーが私の部屋から真正面にみえます。 毎日よく壊れもしないものだと感心しております。

  • ジャンボ機を追い越すなり冬の鳶

    ジャンボ機を追い越すなり冬の鳶 我が家の前はセントレアです。目の前を飛行機の離陸着陸が繰り返されます。そして鳶が堤防の先を飛んでいきます。 飛行機を追い越して

  • 石蕗は競う如くに花開く

    石蕗は競う如くに花開く 石蕗の花は葉よりも随分高いところに開きます。 それも幾つも重なりまるで高さを競っているのかと、 緑の葉の上に黄色い花が鮮やかに

    nice! 1
  • 戦争を語り語らず年開くる

    戦争を語り語らず年開くる 晦日は来年を迎える目出度い行事を準備する月でもある。 しかし、ゆっくり昔話を聞ける時でもある。 しかし、それを語るのか語らないのか、何となく来年に入って行くのである。

  • 仏手柑仏蘭西名の墓石や

    仏手柑仏蘭西名の墓石や 私の大叔父はフランス人である、帰化はしたが名前はそのまま、アンドレ・ブキリである。 明治のフランス領時間大使であったようだ。当然私は知らない、 墓石の裏にはアンドレ・ブキリ建立と、刻まれてある。

  • 貧しさがかんころ餅を作りあげ

    貧しさがかんころ餅を作りあげ 長崎の五島列島この地の名物は、かんころ餅である、現代ではその素朴さが人気となりお土産品にまでなっているが、元々は、米の採れぬ地であり貧しかったので、干し芋を入れ増量したものである。私らの年代の五島出身者と話すと、「あの頃、かんころしかなかったもんな。」と、言う会話にな... 続きをみる

    nice! 1
  • 鹿田焼き穴開く足袋や轆轤蹴る

    鹿田焼き穴開く足袋や轆轤蹴る 鹿田焼きは大分県日田市の山奥にある、一子相伝の窯元の部落である。 1737年と言うから285年程である。 伝統工法のため一切の機械を使っていない、轆轤も蹴轆轤である。 暑いときは素足にスリッパであるがさすがに寒くなると、 そして、水力による唐砧の音が印象的である

  • 時価と言う寿司屋の𩺊が戸惑わせ

    時価と言う寿司屋の𩺊が戸惑わせ 昔は寿司屋と言えば、今で言う回らない寿司屋ばかりである。 最近はどこでも鮪が人気であるが、私はどうも頂けない。 その寿司屋の値段はその日の仕入れ次第、時価である。行きつけでないと若干怖いものがあった。上客になると踏まれたら安くなるがそうでなければ結構高い金額を吹っ... 続きをみる

    nice! 1
  • ペンションの最高温度三度なり

    ペンションの最高温度三度なり 友人は高原でペンションを経営している。十二月ともなるとどんどん気温が下がる

  • 卵割る大晦日なりグリニッジ

    卵割る大晦日なりグリニッジ 卵を割って新しいことが始まる。時刻を決めるグリニッジはどうであろう。

    nice! 1
  • 歌留多会埃ばかりを立てており

    歌留多会埃ばかりを立てており 昔、歌留多会をしたのは良いが、下手ばかり、お手つきで畳を叩くばかり。

    nice! 2
  • 降誕祭グレゴリアンや老いばかり

    降誕祭グレゴリアンや老いばかり カトリック教会でも、グレゴリアン聖歌は歌われなくなって久しくなる。私らが多分最後くらいでしょう。 数年前、歌うということでメンバーを集めたら高齢者ばかりであった。 しかし何とかの杵柄、上手いものであった。

  • 肩掛けを拡げて富士を隠しおる

    肩掛けを拡げて富士を隠しおる 友人と旅行途中、友人の奥方が肩掛けを一旦広げて掛け直した時、一瞬富士山が見えなくなった。それが何となく面白くあり、

  • 燻炭(いぶりすみ)親父と同じ魚の目や

    燻炭(いぶりすみ)親父と同じ魚の目や 我が親父は放蕩ばかり、家族にとっても燻炭のようなものであった。 其の親父と同じような所に魚の目が出来たのである。

    nice! 3
  • 蹲に手袋おいて石蕗の花

    蹲に手袋おいて石蕗の花 茶会の前の準備で、蹲を掃除終え手袋を置いたその横に石蕗の花が、其の黄色にほっとする瞬間 さあー後ふた時

    nice! 1
  • 赤色の皆既月食荒野なり

    赤色の皆既月食荒野なり 地球から見える月は橙色の神秘的なものであるが、そのものは、何もない荒野、しかしそこに住もうとする人間もいるらしい。

    nice! 1
  • 骨折や皆既月食風疼く

    骨折や皆既月食風疼く 骨折、その日がなんと皆既月食。皆で酒でも飲みながらの予定が

  • 御堂裏ユダに投げつく蛇衣

    御堂裏ユダに投げつく蛇衣 長崎の外海に吟行に行った時の特選句です。 信者さんの手により自然石を積み上げた古い教会に行った時お御堂の裏に行ったら蛇の抜け空が落ちていたのです。 今でもユダはキリストを裏切った罪びとか、しかしもう改心した人間か、話になります。私はキリストはもう許していると思いますがどう... 続きをみる

    nice! 1
  • 蝮捕る十三日の金曜日

    蝮捕る十三日の金曜日 ヨーロッパでは、十三日の金曜日にキリストが磔にされた日として不吉な日に成っております。 そして蛇は悪魔の化身、使いとも言われております。 その蝮を捕まえたのです。

    nice! 1
  • 大花火あれで最後か闇に聞く

    大花火あれで最後か闇に聞く 花火大会の最終は大きな花火が連発のように打ちあがるようです。 しかし見ている方では確信はありません、なんだか未練たらしく見上げたまま待っております。 観客が引き出したころ又、上がることがあります。

  • ピカドンが写りし影にアリの列

    ピカドンが写りし影にアリの列 長崎の浦上天主堂には、其処に居た信者さんであったのであろう方が、原爆による光の影となり残っております。 其処をアリの列が行進しているのです。喪服の葬列のように。

  • 闇汁や去年の嘘の灰汁掬う

    闇汁や去年の嘘の灰汁掬う いい歳をしてよく俳句仲間と、闇鍋をやったものです。 女性軍は割とオーソドックスな物が入るのですが、男性軍は(と言っても二人ですが)変なものを入れます。 林檎丸ごととか、そば粉を捏ねたものとか、それはそれで美味しいものです。 しかし灰汁も良く出ます。男どもは関係なく食べます... 続きをみる

    nice! 1
  • 去年今年恩師を偲び杯重ぬ

    去年今年恩師を偲び杯重ぬ 私は幸いに師に恵まれた方だと思います。しかし其の師も全員鬼籍に入り懐かしむばかりです。 中には一緒に杯を重ねた師もいますが、殆どはそれが出来ませんでした。 ある師は「今度一緒に飲もう。」とおっしゃったのですが 「心臓が悪いというのにダメです。」というと、少し寂しそうにされ... 続きをみる

  • ポーズ取る素足に赤いママの靴

    ポーズ取る素足に赤いママの靴 子供て、親の大きい靴が大好きです。私も幼少の頃は父の靴を履いて庭を走ったものです。 この女の子はちょっとおませな子でしょう、ママのハイヒールを履いて、モデルのようなポーズを取っているのです。 そして赤がいいのです。

    nice! 1
  • 我が主治医末期癌らし春二番

    我が主治医末期癌らし春二番 これは半分フィクションです。 私の主治医は何ともありません。 私の友人が医師として大学に勤務したての頃、飲みに行こうかと待ち合わせるのに時刻がはっきりしないから医局に待っていてくれという事で医局にいますと、年配の医者が(後で聞くと教授だそうです)入ってきましたので、事情... 続きをみる

  • 春野点金平糖を選ぶ子等

    春野点金平糖を選ぶ子等 私は野点が大好きです。遠出をするときや、海、山等に行くときは必ず煎茶道具か抹茶道具を持っていきます。 出会った方々と楽しみます。 金平糖には綺麗な色んな色があります。子供は自分の好きな色があるのでしょう。作法は二の次自分の色を懐紙に取っていきます。

  • 掛接ぎの一目つれたり虎落笛

    掛接ぎの一目つれたり虎落笛 最近は掛け接ぎを頼む方もあまり耳にしなくなりましたが、昔は結構普段から耳にする事でした。 私も簡単なのはやるのですが、先般十年振りにやったところが、老眼のせいで拡大鏡を使っているのですがそれでも一目ずれてしまいました。仕方がないのでそのまま着ています。

  • 「雪は悪魔」きっと言い切る奥羽人

    「雪は悪魔」きっと言い切る奥羽人 私が呉服屋を営んでいた時、秋田、岩手からの出張員がよく来た。 そちらはスキーや、スケート等出来て良いですね。と言いますと。 出来るのではなくそうしないと生活ができないのです。雪の苦労は筆舌に尽くしがたいものがあります。 私たちにとって雪は、悪魔です。 我ら肥前人か... 続きをみる

  • 港風外人墓地のクローバー

    港風外人墓地のクローバー 港風とは、港外から港に向かい吹く風です。その風に乗って外国船は入港します。 その船には、交易品を沢山積んで来ます。その荷物特にガラス製品など割れやすいものは、乾燥させたクローバーを詰め保護材とします。その種が増え現在どこでも見る帰化植物となったのです。 それでクローバーを... 続きをみる

    nice! 1
  • 陶工の小さき墓地あり沙羅双樹

    陶工の小さき墓地あり沙羅双樹 秀吉の朝鮮侵略で陶工が日本に連れて来られ残りの人生を日本で過ごす事になるのですが、 その方々の墓地、そしてその技術を受け継いだ日本の陶工たちの墓が陶磁器生産地にはあります。

    nice! 1
  • 忘れまい八月十五日の音

    忘れまい八月十五日の音 この句を見て、「音」は、「玉音」の方がと、言った方も居られましたが、十五日は玉音放送だけではありません。 悔しさからの叫び、空襲から逃れたほっとした声、自決の銃声、叫び、機密文書を処分する音、そのほか沢山の音があったはずです。 玉音、あの電波状態の悪いラジオで、何を言ってる... 続きをみる

    nice! 2
  • 夏柳喜寿で起業の喫茶店

    夏柳喜寿で起業の喫茶店 Facebookで、偶々知った喫茶店である。 早速訪問したところ、開店五日目ということであった。 なるほど、私とさほど変わらない年齢の店主奥様が歓迎して下さった。 私も現在の飲食店は,63歳から始めたのであるが、それでも皆様に「その年で」と、よく言われたものであります。 そ... 続きをみる

    nice! 1
  • 椿落つ飛び石は師の歩幅にて

    椿落つ飛び石は師の歩幅にて 長崎時代、我が家の庭を茶庭に作り替えるとき、飛び石の歩幅が如何にも上手くいかない。そこで高齢の先生に来ていただき、その先生の歩幅に合わせて石を配置したところ、これがぴったりの形になりました。枝折戸から水琴窟の蹲まできれいな線が出来ました。 その頃の若い私たちの歩幅では上... 続きをみる

    nice! 2
  • 寺町の昆布屋に羅臼入荷札

    寺町の昆布屋に羅臼入荷札 私が住んでいた、長崎の諏訪町は寺町の隣である。 そして反対隣は、【中通り商店街】で専門店ばかりの通りである。その中に、昆布専門店がある。 この店は本当に昆布だけであり、色んな種類の昆布、加工昆布などある。 夏の終わり近くには、「羅臼入荷」の大きな墨書きのポスターが張られる... 続きをみる

    nice! 1
  • 鰻来るらし金串も研いで待つ

    鰻来るらし金串も研いで待つ 鰻を釣ったものの、捌けないらしい。持ってくるとの電話。 来るのはありがたいが長く使っていない金串も手入れしないとうまく刺さらない。二本三本ではない。大変だ。私は鰻をっ開くのに専用の包丁ではなく、小出刃を使うこの包丁も良く研いでいないといけない。さあー大変だ。 所で、酒も... 続きをみる

    nice! 1
  • 藪椿仕覆開くごと雌蕊出づ

    藪椿仕覆開くごと雌蕊出づ 長崎の五島は椿で有名な列島である、特に【玉之浦】という品種は特に有名である。そして又、特産品に椿油がある。 我が家も茶花として椿を植えている。 その花の、蕾の時は茶入れを包む仕覆の様な形ですが、だんだん開いてくると仕覆の口を押し開けるように開いていくのです。 そして中から... 続きをみる

    nice! 1
  • 彼岸潮轟音立つる朝日かな

    彼岸潮轟音立つる朝日かな 長崎の西彼、西海橋では大潮の時期、観潮会がある。 西海橋のある大村湾は、海水の出入りがこの橋の下一か所だけである。そのため大潮の潮の満ち引きの時は湾の内外では大きな高低差がある、そこを狭い湾の入り口を物凄い勢いで潮が流れるのである。 そしてそこには大きな渦が発生して、そこ... 続きをみる

    nice! 1
  • 杉若葉いざ登らんと勢溜り

    杉若葉いざ登らんと勢溜り 二十年程前福岡の英彦山神社へ仲間と吟行に行った時の句です。 登り口まで行って一息ついてると立札ががあり、「勢溜り」とある。横にある説明文を見ると、 【ここに来るまでの間に汗や埃にまみれ、服装も乱れているでしょう。ここで暫く服装を整え、汗を拭いて聖域に上る準備をして下さい。... 続きをみる

    nice! 4
  • 鐘霞む飛鳥瓦に苧麻地痕

    鐘霞む飛鳥瓦に苧麻地痕 昔法隆寺で庭の散策中に花壇の中に瓦のはへんを見つけた。 拾ってみると飛鳥瓦である。 多分大改修の折落としたものであろう、 以前に西岡常一氏の著書を読んでいた。 瓦の裏に苧麻の跡が今窯から出したばかりのように鮮明な痕である。 当時の陶磁器職人は今で言うハイテク集団であったとか... 続きをみる

    nice! 1