tarumiのブログ

【つんので さるく】とは、長崎弁で、一緒に歩きましょうと、いう意味

ピカドンが残し人影蟻の列

つんので さるく

長崎の浦上天主堂には、其処に居た信者さんであったのであろう方が、原爆による熱線で影となり残っております。

学校も夏休みになり子供たちも解放され遊びまくっている、教会の直ぐ下の川には、先日掛けていた鰻籠がありそれは、子供夫々秘密の場所である。そして捕った獲物を人に上げて自慢をするのも楽しみの1つである。

「神父さん、こいから鰻ば上げて来っけん、食ぶっね。」

「本当にかかっとっとか、こないだはかかっとらんやったって言いよったろが。」

「うんにゃ、今日は間違いなか。」

「本当や、掛かっとったら持ってこい。食べてやっけん。」

「待っとかんね。」

とは言ったものの、ここ一週間掛かって無いのである。しかし神父には、何としても持って行きたいのである。いくら暑さが続くとはいえ、ここは米は取れないので主食は芋ばかりである、しかし小さいとは言えど、信者さんの家は、畑を持っている所が多いので他よりはましであろうがそれにしてもここ半年ほど元気がないのである。

晩飯時、親も

「神父さん栄養の足らんとじゃなかろうか、病気じゃなかろうかね。」

そんな話を聞いているので、鰻でもと思ったのである。

だから神父にも此の間捕れていないと、言っていたので、取れていないのを知ってそう言ったのである。

それが今回は大漁であった。神父さんに二匹やっても、家に四匹持って帰れる。

「じいちゃん、鰻ば二匹捌いてくれんね、神父さんに持って行くけん。」

「どら、ほんとに太かな、此れなら一匹でようなかや。」

「じいちゃん、そがんケチか事ば言わんと、童貞さんも昼頃来っとばい。」

「そうか、そんなら三匹たい。」

家から教会まで二十分位である。意気揚々と焼き上げたかば焼きを持って教会まで走って行った。教会敷地迄の階段を上がりきる前に、大型飛行機の爆音が聞こえてきたのである。御堂迄の石畳を走り、御堂の中にいる神父に渡そうと、御堂の階段を上ろうとした時、その時であった。

 

 

ピカドンが残し人影蟻の列